広島の旅へ2:毒ガス島
「うさぎの楽園」とも言われている大久野島だが、この島は「毒ガス島」というもう一つの顔があるというのは割と有名な話。
大久野島は元々は毒ガスの生産拠点とされ、場所の関係上隠匿しやすいということから、「地図からも存在を消された島」となった。「毒ガス製造所」であることはトップシークレットであったため、毒ガス製作所として使われていた時代では、大久野島が見えるポイントを走る汽車には当時の陸軍の手によって窓は下ろされ、車窓から島の方角を見ることを禁じていたとか。
まずは発電所跡。
すでに解体されており、建物の「ガワ」だけが残されている状態だ。
これが発電所”だった”と言われないとちょっとわからないくらい内部に面影は残っていない。
うさぎと、毒ガス製造所というミスマッチ。
ちなみに、廃棄された毒ガスは火炎放射器での焼却処分の他、地中へ処分した物もあるようで、島の土壌には未だに高濃度のヒ素が含まれているとか。
こちらは火薬庫跡。
火薬庫なので、勿論火の元厳禁。万が一引火してしまった場合は爆発の力を逃がすため、天井はわざと壊れやすい作りにしていたらしい。現在は見ての通り、これが火薬庫なのか何なのかわからないくらい朽ちてしまっているが。その壊れやすい天井も存在していない。
遠くに送電塔が見える。島と島を電線でつなぐ送電塔なのだが、とにかくものすごくデカイ送電塔。こんな近くで見ることなんかそうそう無いんじゃなかろうか。行こうと思えば、送電塔の足下までいけますが、そのスケールのでかさには驚かされる。こういう離島ならではの光景。
展望台からの眺め。遠くに見えるのは小久野島。大久野島をはじめ、この海域にはいくつか大小の島々が連ねる。
中部砲台跡。
砲台跡の中では状態が良いらしく、特に封鎖とかはしていない。
発電所跡なんかは柵があったりするので入りづらいが、この砲台跡は今のところ崩落の危険がないので出入り自由。
同じような入り口が続くが、中は繋がっている。
水滴がバケツに滴り続けていて、自分一人だけでいると雰囲気も手伝って昼間でもかなりコワイ。出入り自由でもあまり積極的に入りたい建物とはいい難いッス……
中に入るとゾクゾクする。暗くて息苦しい感じ。天井が思いのほか低いからそう感じるのかもしれない。
ここに来るまでにすでに2時間近く経っていたので、日が落ちてしまう前に下山しようと思ったが、これがまた結構なハードモードで、降りるだけで1時間近くかかってしまったぜ。
ちなみにこの道を降りると島の西側に降りれます……降りれるのだが、道中はかなり険しいところがあったり、所々足場が壊れていたりするのでちょっと危険。
島の西側には毒ガス貯蔵所があるが、倒壊の危険があるので中には入れない。
人は入れないけど、うさぎにはそんなのが知ったこっちゃないな!
怠 慢 の う さ ぎ
夕暮れの子うさぎ。
夕日が沈んでいく、この時は確か日の入りが18時頃だった。
大久野島に夜が来る。
*広島の旅(2014年版)*
・広島の旅へ1:大久野島のうさぎ達
・広島の旅へ2:毒ガス島 (今ここ)
・広島の旅へ3:尾道、猫の細道
・広島の旅へ4:尾道、もはや何かの修行
・広島の旅へ5:宮島の山
・広島の旅へ6:原爆ドーム
- 関連記事
-
- 広島の旅へ3:尾道、猫の細道 (2014/05/13)
- 広島の旅へ2:毒ガス島 (2014/05/09)
- 広島の旅へ1:大久野島のうさぎ達 (2014/05/06)
コメントの投稿